私たちは、いつ、どこで、突然のけがや病気におそわれるか予測ができません。このような時、病院に行くまでに家庭や職場でできる手当のことを「応急手当」といいます。
 意識が無くなって、呼吸や心臓が止まってしまうような重篤な場合は、救急車が来るまでに何らかの処置をしないと命は助かりません。この時に役立つ応急手当の方法を、特に「救命手当」といいます。
 「あの時何か自分にできたら・・・」と後で後悔することが無いよう、しっかりと応急手当を覚えておきましょう。

 右の図はカーラーの救命曲線といいます。心臓又は呼吸が
止まってから、何分くらい経つと命が助からないかが曲線で示されています。
 119番通報をして救急車が来るまでには、全国平均で約6分かかります。図を見ていただければわかるように、ほんの数分の間にも命を救えるかどうか左右される事が分かるかと思います。

 心臓が止まってしまうような重篤な状態の時には、現場に居合わせた人の救命手当はもちろん、救急車をすぐ呼ぶ事や、救急隊による救急救命処置搬送先医療機関での医療処置が、スムーズな連係で行われることが救命のためには必要です。
 このことを「救命の連鎖」といい、この連鎖が一つでも欠けたら尊い命は救えません。